▲ Ensemble 18-1, 166×166㎝, Mixed media with Korean paper, 2018

パク・チョル(서양화가 박철,韓紙作家 朴哲,PARK CHUL,한지부조회화 박철)は幼少期を過ごした田舎の生活が細かく刻まれた日用品を触ったり叩きながら、リズミカルに思い出を呼び起こす。周囲から「むしろ作家」と呼ばれるほど、パク・チョルは多様なむしろを探し歩いては触ったり叩いたりしながら、韓国的な伝統の諸々の気運を現在的な施工で呼び出して切り取る。

数千回叩いていじくることで蘇った、浮遊するように漂う気運は、様々な伝統紙、特に韓紙にそのまま浸み込んでいる。一枚二枚ではなく、数十枚にもなる紙の中に重ね重ね紙の存在を表わした。

パク・チョル(박철 작가, ARTIST PARK CHUL,한지화가 박철)の韓紙の浮き彫り作業は、自分の体と精神で解いた劇的なパフォーマンスの共感覚的な結果に相違ない。彼の作業のほとんどが、見る人の共感を同時代的に引き寄せる魅力を堅持している理由だろう。

作業方法は、極めてこと手工的で、「体と精神そして汗の肖像」そのものだ。いろんな物を大小 のセメントのモールドで切り出し、モールドの内部に刻まれた型に加減なく韓紙を押し入れる。そして、押して叩いた後にそれらをもう一度引き出す。

▲ 2018년 성남큐브미술관 전시작품 앞에서 ‘오늘의 한지작가’ 박철

パク・チョルは捨てられた古いもの、古い昔ながらのもので心に刻まれているもの、いわゆる捨てられたものを拾って、手で拭き取り、なでて新しい息吹を吹き込む。格好が悪く粗雑だが、素朴で純朴な質感をそのまま、一つも逃さないように入念に浸透させる。

伝統が息づく物に対するパク・チョルの細やかな視線は、伝統のあるがままの物性と精神を、潜伏する内在律を原初的に目覚めさせて切り出す温もりそのものといえる。キューブ美術館が選んだ2018年の同時代美感はパク・チョルのむしろである。

展示場全体にパク・チョルのむしろをかけた。終点が見えない最先端の時代、パク・チョル(박철 화백, 한지 작가 박철,KORAN PAPER ARTIST PARK CHUL)は 皮肉なことに、むしろで過去、現在、未来を力いっぱい開け放つ。パク・チョルが込めた伝統と伝統への情熱と息遣いは長い間生き続け記憶されるだろう。

△文=パク・チョンナム(朴天男, 박천남, 城南文化財団 展示企画部長,성남문화재단 전시기획부장)